VMDの仕事

【薄利多売は悪】アパレル業界は薄利多売で罪悪感がある。

どーも「N・W・ごりら」です。
今日は、「Sell-inで評価される企業」について、僕が遭遇した不条理について綴っていきます。

僕は、新卒で流通小売の業界で働いた経験があり、仕入れに携わったことがあるため、そこでメーカーの「Sell-in主義=とにかく一回仕入れてもらおうの精神」を強く感じていました。

用語の簡単解説

Sell-in・・・小売店からメーカーへ発注する際の「発注金額・数量」を意味します。要するに、商品を仕入れるときの金額や数量です。

Sell-through・・・小売店がお客様に対してどのくらい販売したのか?という「販売金額・数量」を意味します。要するに商品がどれだけ売れたかということです。

Sell-out・・・小売店が商品を完売したことを指す言葉です。「目標は1か月でSell-outさせたいですね!」みたいに使います。

主にこういう用語を売り上げの管理の際には使用するのですが、メーカーの営業マンはとにかく「Sell-inの金額を大きくしたい」ということがヒシヒシと伝わってきます。もっと極端なことを言ってしまうと「売れなかったら1億円分の返品してくれていいので、初回の発注は1億5千万円分発注してください」みたいなことを平気で言ってきたりします。

この背景には「Sell-inの金額がその営業担当の評価に直結する」という悪しき風習があります。前述のような1億5千万円分発注したとしても、後々売れ残って1億円分返品されてしまったら5千万円分の実績にしかなりません。物流コストもかかるので、実際にはもっと実績としては低くなると思いますが、これでも、その営業担当は「1億5千万円分の発注を勝ち取った人」として評価をされていたようです。

小売店側も「こんな売れなさそうな商品大量に要らねぇよ・・・」って思っていますし「返品作業めんどくせぇー」って思ってもいます。実際、僕が販売員をしているときは「こんなに商品仕入れるバイヤーは頭おかしい」と思っていました。

しかし、実際仕入れの現場に立ち会うと、このようなことが毎回のようにあるわけです。なぜならば、小売店側から見て、取引先が大きな企業になればなるほど、関係構築のためにメーカー側の無理な要求を呑まないといけないことが多々あるからです。あまりにも提案を拒否し続けると、今後仕入れができなくなることも考えられます。そういう駆け引きが多くみられました。もちろん、僕がいた業界、企業ではこういうことがあったというだけで、他の業界、企業ではもっと健全なビジネスをされているかもしれませんので、一つの話として理解いただければと思います。

そして、こういう「とにかくたくさん発注して~」っていってくる企業は、CSRのページにやたらとSDGsを語っています「環境に配慮した素材で商品作っています」とか「大量生産をしません」とかとか。

・返品前提で売れなさそうな商品を仕入れなければいけないこと
・そんなことをしているメーカー、小売店どちらもSDGsに取り組んでいると公言していること
・実店舗の現場の意見を無視し、本部で全てこの判断をしていること

こういうことが起こらないように業界全体が「Sell-in主義からSell-through主義」になってくれることを願います。

結論

返品って面倒じゃん。アマゾンで返品しようと思っても面倒じゃん。

今日でごりらは14歩進んだ。