どーも「N・W・ごりら」です。
「日本の終身雇用制度はもう終わった」と言われ始めて、もうかなり時間が経ちました。
今では、上場している大企業が黒字にも関わらず、早期退職者を募集するのも珍しくないです。
僕が以前働いていた東証プライム上場企業でも、早期退職者を募集していました。
45歳以上の人たちが大勢辞めていくのを間近で見ていた僕。
そして、その時辞めたおじさんの末路が見たとき、終身雇用制度の弊害を目の当たりにしました。
そこで、
・早期退職者の募集とは
・実録、早期退職をして失敗したおじさんたち
・大企業にいるから仕事が出来ると勘違いするおじさんたち
・仕事ができないと思うなら早期退職をするな!
・大事なのは社会で求められる能力
・まとめ~嫌なら会社辞めていいのは若者の特権~
早期退職者の募集とは
概要
「早期退職者の募集」とは、会社が定める定年退職の期限より前に、自主的に退職する者を募集する行為のことです。
そのため、支払われる退職金が優遇され、一般的には「早期優遇退職制度」と呼ばれています。
※あくまでも、自主的な退職を促します。
経営不振などを理由に、従業員の人件費削減や組織の人員構成を整えることを目的として、早期退職者を募集する場合もありますが、業績好調の企業であっても、今後を見据えて人員削減にふみきることもあります。
※僕の働いていた企業は、黒字経営の中での人員削減が目的でした。
早期退職の対象となる年齢
早期退職の対象となりやすい年齢は40~50代です。
早い話が、バブル期に大量入社した社員なリストラです。
給料もそれなりにもらっている年齢層が多すぎる。そして、仕事ができるかと言われると何とも言えない年齢層なわけです。
実録、早期退職して失敗したおじさんたち
僕が見てきた早期退職をして、その後失敗しているおじさんを何人も目の当たりしました。
辞めて仕事が見つからないおじさん
元々会社を辞めたいと思っていたおじさんにとって、早期退職者の募集はとても魅力的です。
「辞めてもなんとかなるか!大手企業にいるから、中小企業であれば、どこでも入れるだろ!」
と根拠のない自信を持っていたこのおじさんは、退職後、無職期間が長く続き、最終的には辞めた会社の店舗でアルバイトとして働いて働いていました。
プライドもあったと思いますが、収入がないのは背に腹は代えられないということで、本社で偉そうにしていたおじさんはアルバイトとして戻ってきたようですが、バツが悪そうにしてました。
年収が下がり家を売ったおじさん
上場企業なので、40歳以上のおじさんはそれなりの給料をもらっていました。
非管理職でも年収600万円はもらっていたと思います。
そんなおじさんの再就職先は、地元の中小企業。
詳しい年収はわかりませんが、おそらく平社員の場合は、年収350万円あるかないかというところ。
そのおじさんは45歳で、早期退職をしたため、退職金がアップしたとはいえ、大した金額ではありませんでした。
そのおじさん。結果として住宅ローンの支払いがキツくなったのか、マイホームを売却してしまいます。
僕も住宅ローンを組んでいるのでわかりますが、年収が半分になったら、ローン返済キツくなるのは当たり前です。
それを計算せずに早期退職をしたのか。それとも同じ年収がもらえる企業に転職できると思ったのか。
辞めるときは、最悪の状況も想定しないといけないですね。
個人事業主になってUberイーツしているおじさん
早期退職を機に、個人事業主となりビジネスを始めたおじさん。
元々の業界が小売ということもあり、流行りの物販をやってみることにしたと、辞めた直後はどや顔で僕に「会社に雇われるのはダサい」とかいっていたおじさん。
しかし、今はUber配達員と倉庫内作業のバイトをしているとのこと。
副業で準備をしてきて、これを気に副業を本業にするのであればまだわかりますが、早期退職をきっかけにビジネスを始めるのは、計画性無さすぎでしょ。
大企業にいるから仕事が出来ると勘違いするおじさんたち
業績やビジネス規模は別として、東京プライム上場企業にはいた早期退職おじさんは、自分は優秀だと思いがちです。
もちろん優秀な人もいますが、全員が優秀な組織なんてありません。
新卒から入社して20年以上勤めていると、その企業に染まるのも当たり前です。
大企業にいる自分は優秀に違いない
↓
早期退職で退職金増えるのはチャンス
↓
大企業からならそれなりに待遇よく転職先が見つかるに決まっている
↓
早期退職を希望し退職
↓
大企業どころか中小企業からも採用されないおじさんの誕生
という思考と行動の流れで、現実を突きつけられるおじさんが少なからず現れてしまいます。
バブル期でヌルっと会社に入り、その企業内でしか働けないスキルを身に着けたところで、他社から評価されるなんてあり得ません。
ましてや、転職というものは、学歴や企業歴は重視させず、「どんなスキルも持っていて、どんな実績を残し、何ができるのか?」というところを重視します。
大企業にいたことだけしかアピールできない無能おじさんに良い転職先なんてありません。
仕事ができないと思うなら早期退職をするな!
自分を客観視するのは非常に大切なことです。
今の自分にはどんなスキルがあって、何ができるのかを客観視する能力は必要です。
※これはおじさんに限らずな話ですが。
一時的な退職金に目がくらみ、早期退職を頭に浮かんでいる方は、是非自分を客観視してみてください。
・自分の経歴の棚卸
・自分の持っているスキル
・自分の年収額の妥当性
・転職市場での自分の具体的な価値
転職活動は、早期退職前からできます。
転職エージェントの大手2社くらいに相談してみて、自分の転職先があるのかも事前に確認したほうがいいです。
転職エージェントの人の顔が曇ったらかなり厳しいと思ったほうがいいと思います。
あと、ビズリーチなどのスカウトが来ると思っている方へ。
早期退職の候補に上がるような人は、他社からスカウトはまず来ないと思いますので、地に足をつけた将来設計をしてください。
大事なのは社会で求められる能力
会社の中で求められる能力と社会で求められる能力は、乖離していることが多いです。
大企業の中では、社内調整能力、いわゆる裏回しの能力が求められる場合が多く、各部署長に根回しを合意を取る。
合意が取れたあとに、会議で案件を出して、形式的に全体の合意をとり、社内承認を取るが日常茶飯事です。
とても重宝がられる能力ではありますが、これはその企業のみで重宝がられる能力であって、他社に取っては不必要な能力です。
そもそも、社内調整が必要な企業ばかりではありませんし、この能力が高いからといって、売上利益を上げられるかは別問題。
社会で求められる能力、転職で求められる能力は、あくまでも「どんなスキルも持っていて、どんな実績を残し、何ができるのか?」という部分から導かれる能力です。
・営業で売上利益を伸ばす
・マーケティングで売上利益を伸ばす
・管理部門で不要なコストを削る
といった会社の数字に変化をもたらすことのできる人が求められます。
所属している企業で求められる能力が決して他の企業で求められる能力だと思わない方がいいです。
まとめ~嫌なら会社辞めていいのは若者の特権~
私は現時点で2回転職をしており、転職についてはポジティブに捉えています。
ブラック企業と言われるような労働環境であったり、上司や同僚と仕事するのがストレスであれば、すぐに転職をすることを勧めています。
自分を削ってまでその会社に尽くす必要もないし、世の中は仕事は溢れているので、転職したら解決できることも多いです。
しかし、これはあくまでも転職がしやすい年齢(35歳くらいまで)の話です。
40歳を過ぎていて、早期退職の候補になる人が他の企業から求められる可能性は極めて低い。
ましてや、転職経験がないようなタイプであれば尚更です。
早期退職者の募集があった際に、勢いに任せて「今の会社嫌だから辞めよう」「辞めても何とかなるだろう」と考えている方は、今一度考え直してください。
なぜ早期退職者の候補者になっているのかを。
自分が他の企業で何ができるのかを。
早期退職者の募集をきっかけに転職するのではなく、転職というカードを常に頭の隅に残しながら、常に準備をしておくことが重要です。
そこでそのカードを使うのか使わないのかはその時に考えても間に合います。
勢いに任せて退職するのはやめましょう!