転職失敗スタートアップ企業の話

【書籍出版】無名スタートアップ企業に本の出版依頼が来た話。

どーも「N・W・ごりら」です。

マーケティングを学ぼうとした際に、とりあえず本を読んで勉強しようという方も多いはず。
いざ、本屋さんに行くと、これでもかというくらいマーケティング関連の本が並んでいます。

その中に実は僕が関わった本が並んだことがありました。
そして、その経験があったため、僕はマーケティング関連の本の信憑性を疑うことになります。

そこで、

語るごりら
語るごりら
本日は、知名度のないスタートアップ企業に出版依頼が来て、本を出版して大失敗した話について綴ります。

このブログで得られる情報

・マーケティングの本は多種多様
・スタートアップ企業に出版依頼がきた経緯
・TikTokの当たり前のことを書くだけの書籍の完成
・売れるわけない無名の著者の本
・まとめ~本出版して逆に信頼度が下がるという顛末~

マーケティングの本は多種多様

本屋のマーケティングのコーナーには、

・そもそもマーケティングとは?
・WEBマーケティングの基本
・SNSを使ったマーケティング
・YouTubeマーケティングを極める

というような本が並んでいます。
同じテーマでも3、4種本が並んでいるため、どれを買っていいのかわからないことも多いと思います。

実際は、立ち読みして中身を確認しても、大して違いがなく、色味やまとめ方の好みで本を選ぶことも多いはず。
Amazonで購入する場合は、レビューをみて決めるしかありません。

ただ、これだけマーケティング関連の本が出版されているわけですが、その書籍の著者のことをどのくらいご存知でしょうか?
株式会社〇〇CEOとかそれなりの肩書きが書かれていますが、その会社がどのくらいの規模感なのか調べるところまでする方はいるのでしょうか?

そこはしっかりと見極める必要があります。

スタートアップ企業に出版依頼がきた経緯

以前、僕が働いていたスタートアップ企業にも出版依頼が来て、一度だけ書籍を出版したことがあります。

前提として知っていただきたいのは、僕が働いていたスタートアップ企業は、無名の平凡なインターネット広告代理店で、インターンの大学生にこき使っていたような、目も当てられない企業でした。

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コーポレートサイトでは、SaaSの開発をしているみたいなことを書いていましたが、実際はエンジニアも辞めてしまい、インターネットの広告代理店での売上しかありませんでした。

そんな企業にも出版依頼が来たわけです。

出版依頼が来た理由は至極簡単で、

TikTok(ティックトック)マーケティングのブログの記事が、検索順位で1位になっていたから。

というもの。

「ティックトック マーケティング」で検索したときに、たまたまその時点で検索順位が1位だったと理由が出版依頼の理由なわけです。

そして、このブログを書いたのは何を隠そう僕ともう一人の社員の2名で、それらしいことを書いたら、たまたま検索1位を取った記事でした。
会社の実績とか関係なしに、ただ検索1位だから、声がかかったわけです。

そして、その話は記事を書いた僕等ではなく、社長に執筆をしてほしいというものでした。

TikTokの当たり前のことを書くだけの書籍の完成

当たり前の話ですが、ノーリスクで出版してもらえるほど、甘い話ではありません。

売れなかったら在庫リスクもあり、赤字になる可能性もあります。

個人的には、ティックトックの当たり前のことを書いただけの記事なので、書籍化しても「ググれば出ることばっかり書いてある」と言われて、逆に会社の信用が下がると思い、書籍化には反対でした。
※そもそも売れないと思っていましたし。

しかし、社長はこういう目立つことができることは積極的にトライしたい人。

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声がかかってからは、勝手に話を進めてしまい、出版は現実のものになりました。
※出版会社とのやりとり、在庫リスクなどは全くこちらには開示されず。

ブログ記事を書いたり、マーケティングをしているのは僕らでしたが、執筆も社長が単独で行い、僕らが本の内容を知ったのは、献本が送られてきたときでした。

社員に1冊ずつ配られ、鼻高々な社長。
内容を見てみると、僕らが書いた記事をベースにググれば出てくることの羅列。

驚くごりら
驚くごりら
おいおい。こんな内容で出版社はOKだしたんか!?

と思えるような内容でした。

売れるわけない無名の著者の本

無事に発売されはしましたが、売上は芳しくありませんでした。

本屋には一時期並んだらしいのですが、僕は一度も目にすることはありませんでした。
Amazonや楽天にも出品され、社員総出でレビューに高評価を書いたりしましたが、そこの効果も殆どなく。

ふと冷静になって考えてみると、「有名なTikTokerでもYouTuberでもない人が書いたTikTokの本なんて読むわけない」

TikTokで成功している人や、企業が本を出すのは分かるが、TikTokのマーケティングの記事を書いただけで、TikTokで実績を残していないが本を出すのはおかしい。

そんな当たり前のことに、本が売れない現実を目の当たりして気づいて絶望したのを覚えています。

まとめ~本出版して逆に信頼度が下がるという顛末~

この経験を通して、本を出版すること自体は大したことじゃないことを知りました。

当時の社長曰く「売れなくても会社の信頼度が上がる」という理由で本の出版に踏み切ったらしいですが、売れない本を出している会社は信頼できるのですか?

具体的な売上数を教えてもらうことはありませんでしたが、確実に赤字だったと思います。
※社長の不機嫌な態度はおそらく在庫問題あり。

当たり前のことしか書いていない本の内容を見て、この会社にお願いしようとなるのでしょうか?

実際本を出版してから、僕が辞めるまでTikTok広告の依頼は来たことがありませんでしたし、会社としてTikTokの動画をアップすることもありませんでした。

世の中に発売されているマーケティング関係の書籍は、このような背景で発売されているものもありますので、本を購入される際は、著者とその企業のことを一度調べて見ることをオススメします。