転職活動の話

【教師からの転職】教師の職務経歴は民間企業では役に立たない。

どーも「N・W・ごりら」です。

僕は中小企業に勤めているので、人事部でなくて採用活動に参加します。

そこで、最近特に増えたのが、教師から転職希望者です。

最初は、物珍しさもあったため面接をしていたのですが、あまりにも得るものがなかったため、今では書類審査の段階で落とすことがほとんどです。
※稀に教師らしからぬ人材もいますが。

そこで、

語るごりら
語るごりら
本日は、教師から民間企業に転職する難しさについて綴ります。

このブログで得られる情報

・教師からの転職希望者が増えた背景
・教師を書類審査で落とす理由
・【実話】面接時までいくも学生と同じことを話す教師
・教師の感覚がズレている部分が垣間見えてしまう瞬間
・民間企業への転職先は塾講師から始めることをオススメ
・まとめ~教師からの転職は相当な準備が必要~

教師からの転職希望者が増えた背景

最近、中途採用の応募に、教師から転職を希望する人が圧倒的に増えました。

最初は物珍しさから面接をしていたのですが、転職理由を聞くと決まってみんな同じような返答をされていました。

・土日出勤当たり前、残業当たり前の職場環境の脱却
・生徒に気を遣いながら生活するという精神的ストレスからの脱却
・このまま続けても教師以外の仕事に就けないため、早めに民間企業で働きたい

教師の職場環境はブラックだとよく耳にしますが、当人から聞くと現実感がありました。

強制残業、年功序列、強制で飲み会幹事、テレワーク不可という時代錯誤の環境から脱却したいのは当たり前です。

教師を書類審査で落とす理由

企業によって書類審査の際に確認するポイントは様々かと思いますが、中途採用で職務経歴書を重視する企業は多いと思います。
※僕の企業も職務経歴書は重視します。

【あなたのキャリア】転職用の職務経歴書に書く内容。どーも「N・W・ごりら」です。 僕は2度転職を経験しており、 どちらもヘッドハンティングというような輝かしい転職ではなく、 地...

職務経歴書には、主に今までやってきた業務内容とそこでの「実績、成果」が記載されることが多いのですが、教師の職務経歴書はこの「実績、成果」という部分が無いに等しい

というのも、

・副担任として、数学を教えた
・担任を持ち、学級をまとめながら数学を教えた
・サッカー部の顧問で市大会を優勝に導いた
・学区内のボランティア活動に積極的に参加した

と書かれていても、こちらとしては困るわけです。

いや、わかるんですよ。
教師というのはそういう仕事なので当たり前なんですが、この内容を見て「是非面接を!」とはならないです。

民間企業は売上、利益を重視しますし、マネジメント経験があるのも大きなポイントです。

教師には、売上・利益という概念はありません
教師と生徒という最初から上下関係がある(語弊があるかもしれないですが)立場であるため、ビジネスで言うマネジメントでもない。

そうなると「実績、成果」はないと判断し、書類選考で落とすという結果になります。

【実話】面接時に大学生と同じことを話す教師

教師からの転職希望者がまだ珍しいときに、何人かと面接したことがありますが、ここでもかなり厳しいことがありました。
※教師と言う職業を否定しているわけではなく、民間企業に転職しようとした時の、採用側の違和感を綴っています。

その方は27歳で、中学3年生のクラスを担任している数学の教師の方でした。

質問①今回転職をしようと思った理由を教えてください

オーソドックスな質問です。
以下回答。

「はい。教師の労働環境は決して良いと呼べるものではなく、身体を壊す前に民間企業に就職したいと思ったため、転職活動を始めました。」

本当にこれが全てなんだろうなという感じでした。とにかく教師を辞めて民間に入りたい以外の気持ちしかないんだろうなと言う雰囲気。

質問②今回は営業というポジションへの応募ですが、今までの経験は何か活かせそうですか?

これもオーソドックス質問です。
以下回答。

「はい。私は教師生活で様々な生徒、その保護者と接してきました。そこで身につけたコミュニケーション能力を営業職に活かせると考えています。」

コミュニケーション能力か。あまり教師の方は数字を扱ったりしないのかなというような印象。

質問③メール対応、電話営業がメインになりますが、そのあたりはどうでしょうか?

以下回答。

「はい。保護者からの電話を受ける程度で、メールもほとんど使用しなかったため、そのあたりはこれから学んでいきたいと思います。」

これから学んでいくか。

質問④最後に何か質問はありますか?

以下回答。

「はい。2点ほどあります。まず御社の経営理念について詳しく教えていただけますか?」

ここで気づきます。
これまでのやり取りは、新卒の面接と同じようなやり取りであることに。

僕は役職がない平社員で、1次面接をしている立場。

ちょい驚くごりら
ちょい驚くごりら
経営者でもない僕に経営理念を聞いてくるのは新卒採用時の大学生だ!

とはいえ、コーポレートサイトに載っているような話だけでして、納得をしていただく。

「2点目ですが、御社の有給取得率を教えていただけますでしょうか?」

次は有給取得率。これは自社でも自信を持っている部分であったため、求人票にもかなり大きく記載した部分。
にもかかわらず、聞いてくるこの感じ。そして質問内容の薄い感じ。

驚くごりら
驚くごりら
新卒採用の大学生だ!

この方は特別大学生っぽさ強い方でしたか、他の面接させていただいた方も、遠からずといった印象でした。
学校内には事務職員の方がおり、その方がお金の管理などを行うようで、教師陣はあまり予算管理は行わないことをこの面接を通して初めて知りました。

中途採用の際に実績、成果を数字で説明していただかないと、やはり採用は厳しいと思います。



教師の感覚がズレている部分が垣間見えてしまう瞬間

「社会に出たことがない教師が社会を語るな」と揶揄されることがあります。

この社会はどの社会を指しているのかで意見が変わってくる話ですが、たまに本当に感覚がズレているなと感じる瞬間があります。
※教師に限らずな行動もありますが。

TwitterのDMで採用の有無を聞いてくる

私の会社のTwitterアカウントにDMに

「〇〇高校で数学を教えている〇〇と申します。今中途採用を募集しておりますでしょうか?」

というメッセージを送られてきました。

まずコーポレートサイトを見れば、募集しているかしてないかはわかるだろ!という感じですし、募集が掲載されていなくても、電話やメールで「募集しておりますでしょうか?」と聞くのが一般的だと思います。

しかも、職種を限定せずに中途募集してますか?って聞かれても、何がしたいんですか?と聞き返したくなりました。

企業側に面接のリスケを依頼する

教師にとって職員会議はとても重たい時間のようです。
定期的に行われる場合もあれば、急遽行われることがあるとのこと。

面接の当日に
「急遽職員会議が入ってしまい本日の面接できなくなりました。他の候補日を出していただけますでしょうか?」
と連絡が来ました。

職員会議は仕方ないですが、丸投げは辞めてほしい。
候補日を出して「その日は難しい」となったら二度手間になるではないですか。
そちらから候補日出してこっちで選ばせて欲しい。

教師は有給を取りづらく、仕事が終わるのが遅いため、なかなか面接の時間調整するの難しいんですよね。

生徒が言うことを聞いてくれないのが大変という発言

面接の時に
「1番大変だったのはどんなときで、またどんな風に解決をしたのか?」
という質問をした時

「生徒が本当に言うことを聞いてくれないのが大変だった。宿題は出さないし、授業中の私語は辞めない。だから私は親御さんに連絡して注意をしてもらいました!
と結構自信満々な感じで返答されました。

生徒が言うことを聞かないこともあるでしょう。
そしてそれがとても大変なのもわかります。

僕はこの返答は
「私は生徒のことを否定的に捉え、自分で解決ができないので他の人にお願いして何もしませんでした」
というようにも聞こえました。

こちらとしては教師社会の中で大変だったことを話してもらいたかったのですが、やはり1番大変なのは生徒との関係性なのでしょうか。

教える立場から教えられる立場になることへの嫌悪感

採用するしないに関わらず
「採用された場合、あなたにはこういう業務をやっていただく予定です。今いるメンバーから1ヶ月間OJTという形で業務内容を理解いだきます。」
というよくある説明をします。

すると
「おそらくマニュアル読めばわかるので、OJTはいらないと思いますよ(笑)」
という返答をされたことがあります。
※しかも2名に!どちらも20代後半!

怒るごりら
怒るごりら
いやいや、そもそも営業とかしたことないのに、なんでそんな強気なんだよ!
自分を超優秀だと思ってるのか?それとも教えられたくないのか?

半笑いで言われたことがものすごく腹が立ったのを覚えています。

民間企業への転職先は塾講師から始めることをオススメ

中途採用は基本即戦力が欲しい。
明確な採用するポジションがあり、そこの実績やスキルがある方を採用したいのです。

こういう観点では、教師という職業は特殊です。

・担当教科を子どもたちに教えること
・テスト作成、採点
・部活動の顧問
・担当クラスの管理
・教師間の役割(生活指導など)

この実績やスキルを民間で活かすとなると、かなり選べるものは限られてきます。
その中でやはり即戦力として期待できるのは「塾講師」です。

塾講師は子どもたちに基本教科を教えるのがメインの仕事です。
これは即戦力!

そして、民間の学習塾であれば、売上、利益は必ず意識しなくてはいけないですし、効率化も求めれます。

僕は学生時代学習塾でアルバイトをしていましたが、元教師の方も多く在席しており、教える能力は非常に高く、教え方を教えてもらったりしていました。

その元教師の方も曰く、
「塾講師は部活の顧問がなくて、朝練がないのがいいよね!」
だそうです。

教える能力は高いけども、教師の評価されるポイントはそこではないため、塾講師のような授業が分かりやすい、生徒の成績が上がったというような部分で評価されるのは楽だと話されていたのが印象的でした。

民間企業で塾講師をやりつつ、その塾の経理や総務業務を兼任し、スキルやノウハウを身につければ、他の民間企業でも十分戦っていけると思います。

そもそも教師の方は教員採用試験にも合格されているのような、優秀な方が多いわけですし。



まとめ~教師からの転職は相当な準備が必要~

教師は平日休日問わず激務であり、なかなか時間を確保することができません。

そんな激務の中で、転職活動をすることは、それだけでかなりの労力が必要となります。
民間企業に応募すると書類で弾かれることもあると思いますし、面接に四苦八苦することもあると思います。

それほど、教師を辞めて民間企業に転職をするというのは難しい

僕は採用担当として、感じたことは「教師の方の働き方は異常」ということです。
有休もとれず、土日も仕事場に行き、定時で帰ることがない。
独自文化も強く、教師以外の職場環境には活かすことができないスキルも多い。

教師を辞めて、民間企業に転職をお考えの方は、周到な準備をされることをオススメします。